2019年06月03日

原子力空母からの放射性物質の日本の港内での搬出についてのエードメモワールの約束のファクトシートによる書換問題につき、以下のとおりまとめました。

1、原子力艦からの固形廃棄物の搬出について、
  1964年のエード・メモワールは、以下のとおり規定する。
 固形廃棄物は、承認された手続きに従い、通常の原子力潜水艦によって合衆国の沿岸の施設又は専用の施設船に運ばれたのち、包装され、かつ合衆国内に埋められる。

Solid wastes are transferred by SSN 's to U.S. shore or tender facilities for subsequent packaging and burial in the U.S. in accordance with approved procedures.

2、ところが、2006年のファクト・シートは、以下のとおり規定する。
固形廃棄物は、適切に包装された上で、合衆国の沿岸の施設又は専用の施設船に移送され、承認された手続きに従って、合衆国内で処理される。

Solid wastes are properly packaged and transferred to U.S. shore or tender facilities for subsequent disposal in the U.S. in accordance with approved procedures.

3、両者の違いの第1点は、固形廃棄物は合衆国または専用の施設船に運ぶのが、前者では原子力潜水艦、即ちその船自体であったのが、後者では、その限定が全くなくなってどの船で運んでもよいとなっている点である。

4、両者の違いの第2点は、固形放射性廃棄物をpackage(包装と訳されているが、放射性廃棄物を、処分可能な状態、外部的に放射能が漏れない状態に、整理包装加工すること)するのは、前者では、原潜で運ばれた後の合衆国内の専用施設か、潜水母艦等の放射能作業のできる施設内とされているのが、後者では船の輸送前に、日本にいる艦内や基地内(但し現段階では放射能管理作業施設、CIFがないため、陸上の基地内ではできない。)で行うとされてしまった点である。

5、なお、tender facilities はこの場合、潜水母艦等、中でpacking 等放射能作業ができる設備を備えた船のことであり、放射能作業専用船、ないし潜水母艦と訳するのが正確であり、現在、放射性廃棄物を輸送しているコースタルベンチャー等、そのような設備を備えていない一般の輸送船は、それに該当しない。
 そして両者とも、専用の施設船によって運ぶとは言っておらず、専用の施設船に運ぶと言っていることにも注意する必要がある。

6、これは、当初のエードメモワールが、原子力艦の固形放射性廃棄物を、環境中への放 射能放出がないよう、日本の港内では放射能管理区域外には露出させないという原則に 基づいて、放射能管理のできる原子力艦そのものによって、米国の放射能管理作業施設
もしくは、放射能管理作業のできる潜水母艦に、公海上またはグァムなどの母港で搬入することとしていたためと考えられる。そして、この原則故に、『放射能にさらされた物質は、通常、外国の港にある間は、通常の原子力潜水艦から搬出されることはない』
 との約束が、例外はあるものの、なされているのである。

7 ところが、後者の文言は、
 1)危険な放射性廃棄物のpackage 作業を、日本国外ではなく、日本の港内の一応放射能管理のできている艦内(将来的には放射能管理作業施設)でできるように変更したこと、
 さらに、放射能管理のできる原子力艦によって輸送するとの文言、限定を外して、
2)一時的にではあれ、原子力艦外の大気中に放射性廃棄物を露出させ、
3)さらに放射能管理のできてない一般の輸送船で輸送できるように変更したこと、
により環境中に放射能が漏れる危険性が飛躍的に拡大することとなる、重大かつ危険な文言の変更、書き換えとなっており、その内容は明らかに1964年のエード・メモワールの規定と原則に違反しているのである。
posted by BlogMaster at 00:01| Comment(0) | 呉東正彦の提言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする